ボードゲームやロールプレイングゲームをプレイするために必要な最初のステップの一つは,ルールを読むことである.ここには,テーブルの少なくとも一人が読み方を知っていなければならないという前提がある.ルールがプレイヤーに与える認知的負荷は相当なものであり,ルールを理解する行為に影響を与えるだけでなく,プレイ体験にも影響を与えることがある.ゲームを学ぶには専門的なリテラシーが必要である.プレイヤーがルールブックを通してゲームのルールを学べないのは,プレイヤーの能力不足ではなく,その教材の認知的期待の結果かもしれない.このように,本稿の目的は,ベストプラクティスを提案し,ルールブックのアクセシビリティに関する議論を開始することである.そのために,ゲームにおける認知的アクセシビリティ,認知的負荷,イージーランゲージが認知的負荷を下げる効果について,いくつかの考察を行った.また,ルールブックの定義,ルールブックがどのように使用されるか(そして乱用されるか),ルールブックを設計する際の基本的な前提についても議論する.これらの考察により,視覚的,認知的,身体的,コミュニケーション的,社会経済的,学習的,交差的アクセシビリティに関して,ルールブックのアクセシビリティを向上させるためのベストプラクティスを概念化することができる.しかし,アクセシブルで楽しいルールブックを作成する方法については,まだいくつかの疑問が残っている.また,提示されたベストプラクティスは概念的なものであるため,多様なプレーヤーがいる実際の環境で検証する必要がある.