号 3 (2022): 千の顔を持つゲームマスター:アナログロールプレイングゲームのゲームマスタリング,主催,作成や運営について

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ワールドビルダー,ストーリーテラー,ルール裁定者,プロット作家,監督,ファシリテーター,俳優,エンターテイナー,インプロの専門家,敵役,世話役,グループマネージャー,イベント主催者……ゲームマスター(GM)は,数え切れないほど多くの仕事をこなし,多くの役割を担っているため,多くの顔を持ち,また多くの名称も持っています.TRPGでは,通常,一人のGMがこの役割のすべての側面を担います.LARPでは,特に大規模なコンベンションであれば,文字通り千の顔に出会うことになるでしょう.主流のLARPでは,プロット担当のGMと戦闘担当のGMがプレイヤーと直接コンタクトを取り,プロット作家とロジスティックマネージャーは背後に控えていますが,同様に重要な存在です.多くのゲームマスター(あるいはストーリーテラー,ダンジョンマスター,キーパー)や主催者は,趣味でプレイを準備したり主催したりしています.最近では,日本のTRPGカフェやNPOの教育LARP制作者など,プロのGMに出会う機会も増えてきています.千の顔が万の顔になっています.逆に,GMの役割を完全に排除しているゲームもあります.ですが,個々のGMがどのようにその役割を果たすか,あるいはゲームの中で,GMの機能がルールや他のプレイヤーにどう移行していくかによって,TRPGやLARPの面白さ,メッセージ性や学習効果が大きく関わります.今こそGMにスポットライトを当てて,学術的・実践的な調査を行うべきだと考えています.それゆえに,RPG学研究2022年度特集では,ゲームマスタリングのあらゆる側面を扱い,この特定の役割に焦点を当てていますが,LARPの主催やプロットライティングの問題にも開かれています.

出版済: 2022-09-30